はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

誘発4日目の分娩

2025年04月29日 | 未分類 | 

2025年4月29日 火・昭和の日 雨

外は予報通り一日中冷たい雨。もうすぐ5月とは思えない寒さになりました。山間部は雪だとか。街角に桜は咲きましたが冷たい雨で元気なく見え、北海道の春本番はまだ先なのかと感じます。

ゴールデンウィークとはいえ、今日は天気もこんななので、一日仕事の日。ただいま、休日返上で、子宮口が硬くて時間がかかりそうな妊婦さんの分娩誘発を行っています。で、待ち時間もしっかりあるもので、ブログ更新(;^ω^)

4月も終わりに近づき、今月を振り返ってみると、分娩数は33か34件。帝王切開が3件あって当院としては多かったなぁという感じ。2023年が最高を記録した当院での分娩数も、少子化や無痛分娩施設の広がりから、分娩予約を締め切るほどの事態にはここ10か月ならず、ここ最近は一か月の分娩数も落ち着いています。

そんな分娩の中で1年に2~3人、分娩誘発が4日かかってしまう妊婦さんがいます。その原因の大部分は、子宮頚管が熟化していないけど、妊娠高血圧症候群や肥満が止まらず妊婦さん的に妊娠期間を延ばすことが経腟分娩に不利だとか、巨大児や低身長・高齢の初産婦さんで赤ちゃんが大きくなったら無痛分娩の麻酔下では難産になりそうだなぁっていう妊婦さんを早めに誘発しているから。

当院をご指名で来てくれる妊婦さんは「麻酔してでも経腟分娩したい」という気持ちで来る方が多く、その希望にできるだけこたえるためにも帝王切開はなるべく回避できるように、早めに分娩誘発をしてる現状があります。(一般的には普通分娩では自然に陣痛を待って、医療的には手を出さないお産が「一番良い」とされてきた産科の「常識」があるけど、不妊治療で妊娠する患者さんが2割に近くなってるとか、初産の平均年齢が31歳を超えるなんて言われている昨今では、普通や自然にこだわるより、できるだけ患者さんの希望をかなえられるのであれば医学的に介入して(そもそも麻酔で介入しているので)より安全に経腟分娩を完遂できる方法をお膳立てしています。

そのようなやり方でも、80~85%の計画分娩は予定通りの日付で生まれ、1日延びてしまうお産が5~10%弱。さらに伸びて4日目突入のお産が今月だけで2人ありました。

当院では誘発を4日間と言っても、ずっと陣痛促進剤を使っているのではなく、日中のみ投与し、痛みが乗ってきた(強くなった)ら硬膜外麻酔をして無痛分娩にするので、麻酔をしてしまえば痛みは「0」とは言わないけど、大部分は余裕で過ごせるくらいの状態で時間が過ぎてゆきます。麻酔をした後の痛みの感じ方は同じ麻酔・誘発方法でも人それぞれで全く違うので、痛くないとは断言できませんが・・・(心で怖がる人は痛みを強く訴えるように見えます。麻酔なしでさえ産めない女性はいないんですけど。)

4日間の分娩誘発に耐えられる産婦さんは条件として、少しずつでも分娩が進行していること。赤ちゃんの状態が元気でいることが絶対必要な条件で、途中で赤ちゃんが元気なくなったり、お母さんがギブアップしてしまうと帝王切開を選ばざるを得ないことになります。なので長く頑張れるというのは限られた人という言い方も言えるのですが、4日目生まれ層で生まれないとなると、痛みは麻酔で抑えているけど、「気持ちが負けてしまいそうになった」なんて話を聞きます。隣の部屋に後から入ってきた産婦さんが次々に生まれていく産声や歓声を聞いているとそうなるよな~と同情しますが、混月は頑張ってくれた方が2名も。そして今日頑張り中の妊婦さんも、もしかしたら・・・

産婦人科は結果が大事な稼業。何日かかっても、帝王切開でも、赤ちゃんが元気に生まれて、お母さんが元気に子育てに向かってくれることを第1目標と思っています。そこに至るまでの道のりは人それぞれ100人いれば100通りの出産があって、感じ方も違います。

これから出産に臨もうという妊婦さんや、若い未来の妊婦さんも、慌てず、情報に流されず(他人のお産と同じお産はありません)ちょっとの辛い時間を乗り越えてくれれば明るい未来が待っていると信じて頑張ってほしいなぁと応援しています。

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