はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

産科・婦人科・小児科(新生児)・麻酔科

羽田さん通信

安産へのお助けに・・・

2025年05月18日 | 未分類 | 

2025年5月18日 日 晴れ

GWも過ぎて春真っ只中の北海道。外は五月晴れで気温も急上昇し24-25度。街角には八重桜🌸とこぶしの花が咲き誇り、山の緑も山頂の雪とのコントラストで色づいてきました。気温はこの1週間で急に暖かくなって、GWまでが寒かったから、夜は寝苦しささえ感じてしまいます。

この前の連休は分娩予定を入れず、急患対応と待ち構えていたのですが、至って平穏でした。で、日中は入院患者さんの診察ちょっとと普段片付かない書類の整理。晴れたらわがワンコと散歩して、夜は連休で規制したり久しぶりの友達と少しのお付き合い。良い休日になりました。

連休明けはさすがに外来も一瞬混雑していましたが、1週間で通常モード。6月のお産予定者が少なくて、これから数週間は静かな時間になりそうです。(急な分娩依頼お答えできますよ~ (^_-)-☆ なんてね)

普段お茶会で産後の患者さんとお話ししている中で最近よくする話をちょっと書こうかな。

当院のお茶会なる夜の懇親会。入院している妊産婦さんと僕と夜勤のスタッフで、お産後の生の感想を聞いてみたり、上の子がいる経産婦さん同士になったら子育ての話だったり、なんてことない世間話で盛り上がることもありますが、参加してる患者さんののりや元気さで様々です。

患者さんの中には、明日出産予定で子宮の出口を拡張する風船を入れながら軽い痛みを味わっている最中の人もいます。産んでしまった褥婦さんはみんな「私も耐えられたから大丈夫ですよ」とか「麻酔をするまでだと思って頑張ってください」とエールを送ってくれます。でも当の妊婦さんはすごく救われたと明るい表情になる人と、心なしか疑心暗鬼で不安そうな人とマチマチ。

僕が明日の分娩を乗り越えるコツとしてお伝えするのは①パニックにならない ②痛いと言わない ③痛い時に目をつぶってイメージを作らないこと を推奨します。

①パニックにならないこと自体難しいという人も多いけど、ほぼ心の原因。お産に対する悪い情報ばかりもって恐怖している人が多い。パニックは交感神経が過剰に興奮して、血圧上昇や胎児に行く血液が少なくなるから(?)胎児心音の悪化が多いように感じます。パニックにならない方法論としては陣痛が来たら冷静に痛みを感じ、分析してほしい。うちの分娩の様に促進剤で起こす陣痛は、陣痛モニターで見てて分かるんだけど、長くても30秒から40秒がいいところ。最初に痛みを感じてくる頃は15秒程度が多いと思います。それが何秒間痛いか数えて、長くなると陣痛も強くなっているので麻酔のタイミングが近づいているという証拠で前向きに喜んでほしいと思います。

②痛いと言わないっていうのは、そんなの無理!という声が聞こえてきそうですが、当院で無痛分娩の患者さんは、痛いと言っても子宮口が4-5cm開大までの陣痛。意識トンで、発狂して、野生化する(イメージ)の子宮口8~9センチとは大違いでまだ我慢できるはず・・・。痛いという声にしてしまうと、人って「言霊(ことだま)」が心を支配して我慢できないくらい痛くなってくるんじゃないかなぁ。だから周りに人が居ると「痛い痛い」とアピールするもので、交感神経が分娩進行を邪魔するのだと思います。言葉にすることで、努責する力も抜けちゃうしね

③目をつぶるって動作、ほとんどの産婦さんがやります。特に陣痛を感じてるときとか、努責かけて踏ん張っているとき。目をつぶると、頭の中でイメージを作って、本当は我慢できるくらいの痛みや大したことない感覚でも、すんごいひどい悲惨なことをされているような「絵」を作ると思うんです。だから冷静な分析もできなくなっちゃう。じゃあどこ見てればいい?という話だけど、我々医療者の顔でも良し、時計を見てるもいいかもしれない。何か集中できるところを見ているのがいいんじゃないかな?お勧めします。

毎日分娩に立ち会って、たくさんある分娩施設の中で当院をご指名いただき来てくれた妊婦さんには、みんな安全に良い出産をしてくるように願っています。そのためにはどうしたらいいのかなぁと、いろいろ考えて12年目になりました。「無痛分娩」をやってますが、僕の願いは麻酔を使ってより安全なお産を届けたい(患者さんは痛くなくかもしれないけど)。痛みに限ると、90㎏近い僕が真剣に押したってつるっとなんか出ない赤ちゃんが子宮収縮だけで3㎏近い赤ちゃんを押し出す力を感じるのだから0ではないよな~と思います。ありえないくらいの強さを考えたら、お母さんと子宮はすごいことしてるのです。特に普通分娩の妊婦さんはホントすごい。

当院は「みんな安産で、落ち着いていいお産ばかり」という目標には、まだ道半ばですが、産婦人科医として「現在の時点で」安産のお役に立てればと思う方法論を書いてみました。賛否両論はあるともいますが、お産が怖い、どう乗り越えたらよいかわからないという妊婦さんの参考になれば嬉しいです。

“安産へのお助けに・・・” への2件のフィードバック

  1. さん師 より:

    令和2年・4年とはださんで出産をしたものです。そういえば院長さん、ブログ書いていたな〜と思い出し、開いたら最近の投稿だったので嬉しくてコメントしちゃいました!笑
    私は本当に痛みに恐怖を感じるタイプで、妊娠が分かった時も痛みと恐怖で出産に前向きになれないと先生に相談したことを思い出しました。懐かしいなぁ。先生は、ネットで色々調べるのをまずやめましょう!と言っていました。実際とても大事なことだったと今でも思います。痛いは言っちゃったなぁ。助産師さんの手をペチペチ叩いてしまった記憶があります。(ごめんなさい。)
    私は突き指でも泣くような本当に痛みが苦手なタイプでしたが、院長や看護師の皆さんのおかげで安心して出産できました。
    本当にありがとうございました!
    今は遠方に引越してしまい、なかなか産院を見かけることはありませんが遠くから応援しています。

  2. ナッツ類 より:

    約1年前に出産した者です。
    1年前を懐かしく感じていたところ、ブログが出産の内容だったのでついコメントを残したくなりました!

    当時は自分の痛みにばかり集中してずっと目を閉じて苦しんでいましたが、よくよくモニターを見ると陣痛が落ち着いている時も痛がっていることに気付きました…笑
    一度痛いものだと思ってしまうと中々冷静になれないものだなぁと振り返って思います。
    先生に痛いときの秒数を数えなさいというアドバイスのお陰で本当に痛みを感じる時とそうでない時を区別することができ、冷静になれたので本当に助かりました!

    出産を控えている方がこのコメントを読んでいるのであれば、この3点のアドバイスは本当に効果があったので実践することをオススメします!

    第二子を授かることができてお世話になることがあれば、次はもう少し落ち着いて出産に挑みたいなぁと思います☆

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