はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

37週骨盤位が続いた8月

2025年08月31日 | 未分類 | 

2025年8月31日 日 曇りのち晴れ

今日は休日日曜日。8月最終日で、札幌市内では日本で唯一?の「真夏のフルマラソン」北海道マラソンが開催され、朝から日本中から集まったランナーが頑張っていたようです。気温は少し蒸し暑い感じはしますが、高すぎず、日差しもそれなりでマラソン日和だったかと、走れない僕は心の中で応援していました。

病棟も平穏です。昼に3人の患者さんが退院して、日中は3名だけ。夕方破水の患者さんが来ましたが、少し予定を早めて明日の分娩に備えます。頑張っていただきたい。

今月を振り返ると、出産は33件。帝王切開は0件で、分娩予定の37週になっても骨盤位(逆子)が治らない産婦さんが2人いました。

骨盤位妊娠の場合、30週も過ぎたら逆子体操してもらったり、外来で治りそうなら軽くお腹から胎児を回してみたり(外回転、軽くですよ)マイルドに頭位になるよう仕掛けるんですけど、36週になっても骨盤位が直らない妊婦さんへの当院の対応は、経産婦さんならという条件で・・・ ①36週を過ぎたら手術室で胎児外回転術を本気で施行して骨盤位を直そうとする例が多いです。治ったら経腟分娩の予定を組み、治らなかったら37週で硬膜外麻酔を施行してからもう一度胎児外回転という方もいます ②骨盤位経腟分娩(骨盤位牽出術)で胎児のおしりから経腟分娩 ③何もしないで帝王切開か、いろいろやってうまくいかず帝王切開というの最終的3パターン。 初産婦さんはこの中で、骨盤位経腟分娩っていう選択肢はなしにしています。リスクを考えて。外回転術か帝王切開ということ。

今月は2人の経産婦さんが、37週になっても骨盤位が治らなくて、分娩予定日当日に硬膜外麻酔をして急変に備え、外回転術をして・・・という方が重なりました。幸いに(?)2人とも胎児外回転術がうまくいってスムーズに頭位になりまして、経腟無痛分娩できました。僕の気持ちとしては、外回転がうまくいかなかった時を想定して、骨盤位分娩の気持ちもありました。ちょっと緊張感があって、少し早起きしちゃうくらい。

もちろん患者さんによってははじめから帝王切開を選ぶ人もいるのでそれはそれで盛会だと思います。だけど、麻酔してでも下から産みたいという無痛希望の妊婦さんで、経産婦さんなら下から産ませてあげられる可能性も高いので、骨盤位娩出も技術としては必要だよな~って考えます。

何でもかんでも下から分娩を推奨するのではなくて、患者さんの判断が一番大切。患者さんがしっかり答えを出すために必要なのは、患者さんそれぞれのリスク評価や合併症の理解などの医療側からの正しい情報提供だと思います。そして患者さんの出した方針に出来るだけ応えられるよう、しっかり準備してよい結果になるよう最善を尽くすのが我々医療側の仕事・・・そんなこと考えながら次の出産に備える夏の終わりです。

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