2023年のまとめ その2 計画分娩 TOLAC14/16
2024年2月6日 火 晴れ
季節は真冬。今年も1月が終了し、すでに2月も1週間。年とればとるほど、月日の流れの速さを実感するものですが、季節の移り変わりには敏感になっているような・・・。日はだんだん長くなり、陽ざしの強さに、確実に春が近づいてるんだなぁとか感じてます。わが町では昨日から「さっぽろ雪祭り」も始まりました。
またまたお久しぶりの当ブログ。ブログ再開後、目標として掲げた1ヵ月に2編以上の更新は何とかクリアしましたが、ギリギリ。時間を見つけて更新できるように頑張っていこうと思います。
さて、前回に引き続き、「令和5年(2023年)のはだ産婦人科クリニックのまとめ その2」をお伝えしたいと思います。
月別出生数のグラフ:最多分娩数を数えた2023年は5月の少なさが目立ちますが10月には月別では最多の49件を記録しました。よく「出産って季節によって多い少ないあるんですか?」って聞かれますが、去年はあまりなかったように思えます。
出産年齢は平均で31.7歳 初産に限ると30.6歳でした。だいたい全国平均と同等の数字ですが、当院の年度比較では、わずかに若い人が多くなっていて、無痛分娩95%の当院の2023年を考えると、若い初産婦さんでも無痛分娩を選びやすい世の中になってきたかな?って思ったりします。
出産時刻:当院の計画分娩の成果とも考えられる全出産を時刻別にグラフにしてみました。出産は予期せぬ急変や、産後大量出血など手薄な職員配置では危機的状況に陥ることも考えねばならない。また、自然分娩の性質でもある夜間陣痛発来から朝方出産という、人間生活としては「非生理的」な労働時間や労働環境を何とか麻酔の力も借りて、日中から夕方への出産を「チームで」達成することが安全だと考えている僕の方針で、分娩管理はほぼ全例計画にしています。もちろん計画していた日時の前に陣痛が来てしまったり、破水したりで早まる人もいますが、去年1年間では無痛分娩希望の人に麻酔を施行できなかったことはありませんでした。その甲斐もあって、深夜時間の分娩は4.7%に抑えられ、計画分娩はそれなりにうまくいったのだと思います。逆に考えると1か月に40強の分娩のうち1例は深夜時間帯であったという見方もできます。
無痛分娩で多くなってしまう吸引分娩率は、例年と同じ程度の40.5%でした。不必要な吸引分娩による介入は抑えたい所ですが、無痛分娩の特徴でもある、赤ちゃんの向きが悪くなる回旋異常や娩出力の低下を補う手段として致し方ないところもあると思います。吸引をどうしてもしないならば帝王切開をすればいいのも事実ですが、帝王切開率が3.0%に抑えられたわりに吸引が増えたわけではなかった状況です。
番外編では、当院の無痛分娩を条件に、行っているTOLACは16例でトライして14例で経腟分娩(VBAC)に至りました。分娩誘発中に進まず帝王切開になってしまった方が2例ありました。
産まれた赤ちゃんはおおむね元気でしたが、新生児搬送になって、小児センターや渓仁会病院、市立札幌病院の未熟児センターにお世話になった赤ちゃんが18例いました。
2023年のまとめは以上です。次回は普通の日記に戻りますね。
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