はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

驚き!!分娩誘発中に骨盤位

2017年05月21日 | 未分類 | 

2017年5月21日 日 曇り時々雨

春真っ盛りの北海道
気温はこの1週間、25℃に達した日もあって、5月後半によくある真夏の様な日差しもちらほら出てきました。
ですが今日はあいにく(久しぶり)の雨模様wink

ゴールデンウィークが終わってから、病院のほうはお産ラッシュが10日ほど続いておりました。
ほとんどが無痛の計画分娩でしたが、中にはVBACがあったり、帝王切開があったりでなかなかあわただしい5月になりました。
当初から5月は出産予定が多かったので覚悟の上でしたが…

そんな中、産婦人科人生の中でもなかなかお会いできない、記憶に残るお産が1件。

関東からの里帰りの患者さん。
32週以降の妊婦健診は大きな問題もなく、37週に入っても子宮口がちょっと硬いな~くらいに思っていた初産のWさん。
無痛分娩希望で、38週を目指して分娩誘発を決めました。

入院初日は子宮口を拡張させるための水風船を入れて陣痛促進剤開始。
朝から開始して夕方になり、ほど閉じていた子宮口が4㎝になったところで初日終了。
風船も抜いて頭から進んできていることを確認してお休みいただきました。

次の日、助産師さんの診察したところ3.5㎝くらいに少ししぼんだ時点から、風船なしで陣痛促進剤を再開
緊張を取るために少し鎮静剤で休んでもらいつつ進みを見ていた午前11時ころの診察で
なんと赤ちゃんが骨盤位に! 

ちょ~びっくりしました

ここで作戦タイム
せっかく4㎝までは子宮口も開いて、まだ麻酔にはなっていなかったけど経腟の無痛分娩を目指して頑張ってる患者さん
何とか力になりたいと思い、①まず硬膜外麻酔で万一の緊急帝王切開にそなえつつ腹部の鎮痛と筋弛緩を狙い ②ひっくり返ることを期待して胎児外回転 ③うまくいったら陣痛強化して経腟分娩
というシナリオを提案。
もちろん胎児の状態悪化と外回転困難な場合は躊躇せず帝王切開になる胸を説明し・・・
そしたら患者さんも旦那さんも賛成してくれて・・・いざ!!

結果、うまいこと赤ちゃんが回ってくれました 
3時間後には、無事に下から元気な赤ちゃんを出産
良かったよかった

バタバタと予期せぬ展開でいろいろ心配な時間も多かったと思いますが、妊婦さんも赤ちゃんも家族もよく頑張ってくれました

お産は産まれるまで何があるかわからない
とはよく言いますが、その言葉を実感するお産になりました。
同時に、「想定外」とは言い訳にせず、気を引き締めて仕事していこう!と考えさせられるWさんの出産になりました。

大変なお産の後ですが、これからは子育て 頑張って楽しんでくださいね

“驚き!!分娩誘発中に骨盤位” への2件のフィードバック

  1. たんぽぽ より:

    いつもブログ拝見しています。
    お産は命懸けで大変なことですね。

    一年前に緊急帝王切開にて出産しました。
    児頭骨盤不均衡でした。
    未だに普通に分娩出来なかったことが悔やまれます。

    第二子を授かりたいと願うのですが、VBACが無理で帝王切開になることを考えると前向きになれない気持ちが出てきてしまいます。

    羽田先生にお願いです。
    帝王切開でのお産のメリットを教えてください。

    • hadasan より:

      たんぽぽさん コメントありがとうございます。
      ご質問の件、帝王切開でのお産のメリットですが、僕の考えでは①赤ちゃんへのストレスが少ないこと
      ②陣痛の時間がないこと(少ない) ③予定帝王切開であれば確実に時間通りに生まれてくることなどがあげられると思います。その反対にデメリットもいろいろありますけどね・・・
      初めてのお産がちょっとしたトラウマになっているとのことですが、お産で一番大事なことは、「元気な赤ちゃんを産むこと」だけです。経腟分娩だから素晴らしい!普通分娩だからエライ!反対に帝王切開だからダメ。無痛にしたから負け・・・そんなことは全く関係ないと思います。
      出産当日母親が赤ちゃんのために頑張ったのはどんな方法でも同じです。大小はあれど痛みに耐え、無事に出てきてくれるか張り裂けそうな心配を乗り越え、必死に頑張ったはずです。(元気に誕生できなかったとしてもです)
      心に引っかかるものなど抱える必要はないと思いますよ。
      次が出来たら、また、赤ちゃんのための最善の方法を選んで、元気な赤ちゃんができることを祈ってあげてください。期待しています

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