はだ産婦人科クリニック【札幌市/西区・手稲区】無痛分娩にも対応

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羽田さん通信

作文「医療DXについて」

2023年05月04日 | 未分類 | 

2023年5月4日 木 晴れ時々曇りsmileysad

GW後半
5月3日と本日は予定のお産もなく、少しゆっくり休日を味わえています。
といってもお産のない日は2週間ぶり
休みの日でも破水の患者さんが来たとか、生まれなくて休日に突入したなんていう分娩があって、何だかんだでバタバタしてました。

忙しくしてた4月でしたが、久しぶりに医師会の支部機関誌に出す作文の原稿を依頼されて、書いたものがあったので、ちょっと載せたいと思います。
要望演題は「医療DXについて」

医療DXってなに?と思う方が多いかと思います。
DXっていうのは「Digital Transformation」を略したものなのだとか・・・
(個人的には、こういうわけわからない略語 好きでありません

医療の現場でITとかデジタル技術を使って、医療の効率化だとか質を高めようとする方策の事で、政府はこれを強く推し進めようと決めたようです。
例えばオンライン診療や、電子カルテ、ネット予約システムとか自動会計機だとか、様々な分野でペーパーレス化なんてことも想定されているとか・・・

まあいいこともあるけど、そればかりではないと思います。

僕自身、もともとはやりものに飛びつく性格ではないので、ちょっと否定的というか慎重論派です。
そういう意見を書いたつもりです。
お時間のある方おつきお付き合いいただけたらうれしいです嬉しいです。
 

あまのじゃく的医療DXへの私見 

「医療DX」(DX=Digital Transformationなのだそうです)なる言葉が医療界のトピックスになってどれくらいの時間がたっているのだろうか?僕が初めにその言葉に「ちゃんと」触れたのは2022年の晩秋の札幌市医師会の政策懇談会だったと思います。各支部から数人の役員が懇談会に召集され、コロナ下ということもありハイブリット開催であった懇談会では、政策部の役員たちを中心に、電子カルテをめぐる環境や、マイナンバーカードの必須化や顔認証システムの導入など次々に打ち出される政策について議論されました。その会までは、僕自身「DXって何?」「なんでわざわざ略語?」「DXの語源は?」というレベルの無知無理解であったのですが、さすがに札医の政策通の役員たちが多いとあって、「なるほどそんなにいいところが!」「そんな欠陥も考えられるのか」といった情報が参加者の口から披露されました。
当院での「医療DX」と思われる改革の達成度を見てみると、「電子カルテ化」は10年前の継承時に済ませていました。電子カルテは前職場で早々に導入されていたので、父が使っていた紙カルテを電子化することにためらいも混乱もありませんでした。電カルの便利さは、検査オーダーの簡便さやコピー&ペーストの容易さ、手紙を書いても解読不能になることなく、良い点は多々あったかに思います。半面心配なことは外部とネット環境でつながる事でサイバー犯罪被害にあうのではないかとか、胆振東部地震で体験した通り、停電や災害時に完全な機能不全に陥ることが言えると思います。また、費用面でも安価にはなってきているとは言っても導入コストは高額だということも無視できません。国は電子カルテを2030年までに100%導入を目指すと言っているのですから賛否が出るのも仕方ないかと・・・
他に遠隔診療や額面でのICTツールを使った診療が広まっていると報じられていますが、当院では導入していません。また、自動精算機が普及しているようですが、病院では生身の医療事務員が暖かい対応をすることが望ましいと思いTransformationしていません。インターネットを使った診察予約や処方対応も、ネットの便利さは認めますが、人的不足などの必要性がない現状では導入する考えには至っていません。
コロナ下で医療までもが「非対面が好ましい」かのような「変革」を訴える声があるようですが、無分別にDXしすぎる弊害として、医療の根本原理でもある人と人のつながりや温かみを感じられなくしたり、医療に携わる人々の雇用を奪う可能性があったり、技術的には電力依存の体制への危惧が考えられます。
医療DXで求めている、「データとデジタル技術を駆使して医療の業務・経営などの課題解決を目指すこと」は、大部分は賛成できるのですが、その急すぎる改革や、人としての根本である人情・温かみ・絆などの今まで医療が大切にしてきたものを、医療「業務」の簡素化のもとに軽視することに関しては反対です。周囲の変革よりも遅れていても良いから、一歩立ち止まって、何が正しいのかを考えながらDXしていきたいと考えています。
過ぎたるは猶及ばざるが如し にならないように・・・

長文、乱文で失礼いたしました。
これに懲りずに、また次回よろしくお願いします

 

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